中山知行 弁護士

静岡県弁護士会所属 富士市

ABITRON AUSTRIA GMBH ET AL. v. HETRONIC INTERNATIONAL, INC. 2023年6月29日

Abitron Austria GmbH v. Hetronic Int’l, Inc.

https://www.supremecourt.gov/opinions/22pdf/21-1043_7648.pdf

 

背景: この事件は、15 U. S. C. §1114(1)(a)および§1125(a)(1)、Lanham Actの2つの条項の外国における適用範囲を決定する必要がある。事件は、Hetronic(米国企業)とAbitron(6つの外国の当事者)との間の商標の紛争に関連している。Hetronicは建設機器のリモートコントロールを製造しており、AbitronはかつてHetronicのライセンス販売業者であったが、Hetronicの知的財産の多くの権利を所有していると主張し、販売する製品にHetronicのマークを使用し始めた。

訴訟: Hetronicは、Lanham Actの2つの関連する条項の下で、Abitronに対して商標違反で訴えを起こした。Hetronicは、Abitronの世界中での侵害行為に対して損害賠償を求めた。Abitronは、HetronicがLanham Actの外国での適用を不当に求めていると主張した。しかし、地区裁判所はAbitronの主張を退け、後にAbitronがHetronicのマークを使用した全世界での行為に関連して約9600万ドルの損害賠償をHetronicに授与した。

結論: Lanham Actの§1114(1)(a)および§1125(a)(1)は外国での適用がなく、商標の侵害使用が国内である場合のみに適用されるとの結論に達した。

 

Lanham Actは、アメリカ合衆国の商標法を規定する主要な法律です。この法律は、商標の登録、保護、および侵害に関する事項を取り扱っています。§1114(1)(a)および§1125(a)(1)は、商標の不正使用や侵害に関する特定の条項です。

§1114(1)(a):

この条項は、登録された商標の不正使用に関するものです。
具体的には、登録された商標の不正な複製や模倣を、商品やサービスの販売、提供、配布、広告に関連して使用することを禁止しています。
この不正使用が混同の原因となる場合、この条項により法的措置がとられる可能性があります。

§1125(a)(1):

この条項は、誤解を招くような商標の使用や、不正確な表示に関するものです。
具体的には、商標の使用や商品の起源に関する誤解を招くような表示や誤認を引き起こす可能性のある行為を禁止しています。
この条項は、登録されていない商標にも適用されることがあります。
これらの条項は、商標の保護と公共の利益を守るために存在しています。商標の不正使用や模倣が行われた場合、これらの条項に基づいて法的措置がとられることがあります。

 

弁護士中山知行