中山知行 弁護士

静岡県弁護士会所属 富士市

COUNTERMAN v. COLORADO 2023年6月27日

Counterman v. Colorado

https://www.supremecourt.gov/opinions/22pdf/22-138_43j7.pdf


COUNTERMAN v. COLORADO

期間: 2023年4月19日に審議、2023年6月27日に決定。

背景: 2014年から2016年にかけて、Billy CountermanはC. W.という地元の歌手・ミュージシャンにFacebookメッセージを数百回送信した。二人は会ったことがなく、C. W.は返信しなかった。彼女は彼を何度もブロックしようとしたが、Countermanは新しいFacebookアカウントを作成してC. W.に連絡を続けた。彼のメッセージの中には、彼女に暴力的な危害が及ぶことを示唆するものもあった。これらのメッセージにより、C. W.は恐怖を感じ、日常生活が乱れた。C. W.は最終的に当局に連絡した。

法的問題: Countermanは、彼のメッセージが「真の脅威」ではないとして、第一修正条項を根拠に告訴を却下するよう求めた。しかし、裁判所は彼の主張を却下し、彼の有罪を確定した。

判決: 真の脅威のケースでは、被告が彼の発言の脅威の性質を何らかの形で理解していたことを州が証明する必要がある。しかし、第一修正条項は、被告が被害者を脅迫する意図を持っていたかどうかを証明するよりも要求の厳しい形態を必要としない。

コメント:Billy Countermanは、彼のFacebookメッセージが「真の脅威」として評価され、その結果として脅迫のような罪で有罪とされました。しかし、連邦最高裁判所は、真の脅威のケースにおいて、被告人が彼の発言の脅威の性質を何らかの形で理解していたことを州が証明する必要があるとの判断を下しました。このため、Countermanの有罪判決は、彼が彼の発言の脅威の性質を理解していたかどうかに関する証拠が不足していたため、第一修正条項に違反するとされました。その結果、彼の有罪判決は取り消され、事件は再審査のために下級裁判所に差し戻されました。

 

弁護士中山知行